介護経営コンサルタントの松長根です。
今回の「介護に一言物申す」は毎年下がり続け、いつも報酬改定でターゲットになる「通所介護」の改定についてです。
平成30年度介護保険改正で通所介護のサービス提供時間帯についての改正があるといわれています。今までは3時間以上5時間未満、5時間以上7時間未満、7時間以上9時間未満の2時間ごとの区分が1時間ごとの区分に変更になるとのことです。弊社の五幸トータルサービスのデイサービスでは7時間15分と3時間5~15分のサービス提供を行っております。
ですので、今回の時間区分の変更があった場合は、7時間以上8時間未満と3時間以上4時間未満の区分に変更されます。
そして時間区分変更と伴って、また報酬単価を下げるとのこと・・・
いや~ほんとにありえないです。今までと同じ時間サービス提供していたのに報酬単価が下がるってあり得ますか?これこそ国の横暴ですよ。今まで8時間以上サービス提供していたからその分単価が上がるというならわかります。しかし7時間以上9時間未満を算定している事業所の8割以上が7時間30分以内のサービス提供をしています。
なぜその時間なのかということを役人は考えたことあるんですかね?
簡単に言えば理由は以下の2つがあります。
① これ以上の時間だと職員を交代制にしなければならず、人員の増員ができない&人件費がさけない。人員を増加したくても集まりません・・・
② ご利用者の負担(体力)を考えるとこれ以上事業所にいるのは厳しい
今でさえ、7時間基本的に座りっぱなしです。もちろん体操やレクリエーションはしますよ。それでもほとんど座っています。
平成24年介護保険法改正で6時間以上8時未満が7時間以上9時間未満に変わった時もご利用者様から多数のクレームを受けました。
「なんで1時間も長くなるんだ、暗くなる前に帰りたい、腰が痛い、長すぎる、疲れるetc」
それでも我々事業者は色々な工夫をし、クレームをなくしたりよりよいサービス提供を目指して奮闘しました。
今回の改正は「今まで通りの報酬がもらいたいなら、1時間多くサービス提供しろ」というメッセージです。
厚労省に聞きたい!この時間区分にする理由・根拠・ご利用者の意見・事業所の意見などは聞いてきたのか?
これはデイサービスを運営している事業者全員が意見を発信すべき内容です。圧力団体がないから厚労省に好き放題されます。
この改正は本当にひどい。
平成29年度経営実態調査でデイサービスは全体で4.6%の利益率でした。それが今回の時間区分改正があったら、5%下がるとも言われています。
運営すればするほど赤字ですよ。これでサービスの質を担保しろなんて無理な話です。今まではデイサービスの利益率が高かったからという理由で減算されて
きましたが、今ではデイサービスより高い利益率のサービス種類はあります。しかしそこは下がらない。下がるのはデイサービスと訪問介護ばかり。
一番利用する人が多いから、減算による削減率が大きくなるからでしょうね。
「デイサービスとは何ぞや?在宅生活においてのデイサービスの役割、今までの成果、これから社会に期待されること」など
デイサービス事業者が発信していかなければ、本当に5年以内に壊滅すると思っています。
デイサービス事業者の皆さん!SNSでも構いません。まずは意見を発信していきましょう。そしてご利用者様がどのように変わったかを
もっと発信しましょう。